事業を継続していくためにはコンプライアンス(法令遵守)への配慮と、将来のトラブルを未然に予防することが重要なポイントとなります。
風俗営業を既にはじめられているのであれば、無店舗型性風俗特殊営業の届出を管轄する警察署にもちろん出されているかと思います。
届出後に警察から営業をするにあたっての注意事項に関する説明と冊子を渡されますが、その中に非常に重要な義務「名簿備え付け義務」、
いわゆる従業者名簿についての記載があります。風俗営業者は従業員の名簿を作成し備え付けなければならないのです。
従業者名簿へは下記の記載事項を明記するよう定められております。
日本国籍を有する者の場合
従業者名簿の備え付けがない場合や必要事項の記載がない場合、虚偽記載があった場合には100万円以下の罰金となります。
「いざとなれば罰金を払えばよい」と嘯く方もいらっしゃいますが、法の規定を守らない状態がつづくのであれば行政側も
本気になってしまいます。 従業者名簿がきっかけで目をつけられ、その他の違反を本気で探し出されてしまった場合には、
最悪営業の停止や廃止となってしまいます。風俗営業にあってはコンプライアンス(法令順守)が非常に重要です。
キャストとの契約が雇用契約なのか請負契約なのかは税務において非常に重要なポイントとなります。
雇用契約とは、事業主と労働者間での契約であり支払われるものは「給与」となります。
請負契約とは事業主と業者間での契約であり、支払われるものは「報酬・料金」となります。
労働法の観点からは、「雇用」であれば労働審判となり労働基準監督署からの監督・指導を受けることとなります。
消費税の取り扱いについては「給与」は「不課税」、「請負」は「課税」の取引となります。
例えば5,000円を給与で支払った場合には消費税は0円ですので5,000円をそのまま支払い、5,000円を請負として支払った場合には、本体価格4,630円+消費税370円として支払を行ったこととなります。すなわち、雇用となるか請負となるかで納めるべき消費税額に大きな差が発生します。当然に税額に大きな影響を及ぼす項目ですのでその基準は厳格に定められております。
参考:消費税法基本通達1-1-1一部抜粋
(個人事業者と給与所得者の区分)
税法は契約書などの形式はもちろんのこととして、その実態がどうなのかを問うことができる法律です。
従って業務委託契約書を結べばすべての問題がクリアとなるわけではありませんが、その契約書の記載事項に問題点があれば「請負」を認めて貰えないということがあります。
また、契約書がきちんと整備されている状態であったとしても、先程の掲げた項目と相反するような実態があれば「請負」を認めて貰えなくなってしまいます。
このキャストを巡る取り扱いがデリヘルにおける税務調査時の最大の争点となりますので、ご不安をお持ちの方は風俗営業に特化した税理士事務所へご相談されることをお勧め致します。